耽溺

ぜんぶ、おしえて

1.17

海人くんへ
デビュー本当に本当におめでとうございます。公演前に急いで手紙を書き直しています。初めて海人くんにお手紙を書かせてもらったのですが、まさかこんな特別なタイミングになるとは夢にも思っていませんでした。………

 

 

半ば衝動的にスタバに駆け込んで、震えながら手紙をかきなおしてたらやっぱり視界がゆらゆらになってきて、かいちゃんがずっとアイドル、とはいえないけれど当分の間はアイドルでいてくれるんだっておもったらうれしくて。これからもっとたくさんの景色をかいちゃんと一緒に見渡せるんだっておもって。一旦意識を呼吸にもどして、大きくすーはーしながらかなちゃんにLINEをかえした。とりあえずお母さんに電話したけど出てくれなくて、しょうがないから早歩きで風をきって、そうやって1回ほっぺを冷やした。気持ちを落ち着けるために、おまじないのつもりで塗り直したDiorのすーすーが気持ちよかった。両隣の女の子はあたりまえみたいに「キンプリデビューだって!おめでとう!」って、わたしだけ切り離されたみたいな、そんなことは当然ないんだけれど、素敵な小説を読み終わったあとみたいにずっとふわふわしていた。この日のために塗り直した爪のきらきらと特別な封筒のきらきらがまったく同じ色をしていて、きれいだなーって動画をとったりした。でもこのきらきらした金色の封筒がかいちゃんの手に届くんだな〜って思ってまた、泣きそうになった。この感覚は、人生ではじめてファンレターを出したときの忘れもしない感覚とぴったり同じだった。伝えたいことがいっぱいありすぎて、伝わるかな。おめでとうとありがとうを羅列しただけみたいな、本当に乱文だけど、だって頭なんて働かないよ、はじめての手紙がまさかこんな形になるとは思わなかった。特別な日。そういえば2018最強運ランキングは1位だった。神様は信じないけれど、神様にはあまえたい。昨日の夜ちょっと高めのヘアミルクをつけてよかった。浮かれすぎて、つけすぎちゃってよかった。今日の朝ファンデが綺麗に乗ってよかった。ピンクのアイシャドウを新調してよかった。マスカラは湾岸のときほど綺麗にセパレート出来なかったけれど。昼受けてきたテストはまあまあ上手くいったつもり。全部のできごとが特別になった日。なんか、こんな感じなんだね、びっくり。あっけないのにあっけなくない。やっぱりあっけなかったけど。手紙に封をして大切にバッグにとじこめた。頼んだコーヒーの9割を飲み残しの穴にそそいで、こんどこそちゃんと歩き出した。お天気は雨だったから、気持ちを落ち着けるために利用した。ひとりだし、カメラマンばかりだし、やることもなくて無駄にはやく席についたけれど心臓のばくばくがおかしい。この目で、このからだで、受け止められるんだ。こんなの忘れられないよ。なんていうか、トラウマだよ。「17時50分より出演者から挨拶がございますのでお早めに席にお座りください」こんなのあんまりだと感じてLINEであやちゃんに心臓が痛い旨をつたえた。こんな心臓の音は、痛みは、かいちゃんを好きになるまで知らなかった類のもので、ぜんぶかいちゃんがおしえてくれた。後ろのかわいらしい女の子がずっと泣きじゃくりながら「れんくん」「うれしい」を交互にこぼしていて、きっとれんくんに届いてるよって、上の空ながらすごくおもった。何度もケータイのロック画面で時間を確認するたびになにかあったかいものがせり上がってきてもう自分では自分をどうすることもできなかった。そうしているうちに、ついにその時がやってきたのだけれど、案外ちゃんと見つめることができた。拍手をする手にもう力は残っていなかったけれど。大好きなひとと、大好きなひとの大好きなひとたちは、本当にその日に相応しかった。大好きなひとの4年と半年が、決して甘くなかった日々が、ひとつの集大成にたどり着いた日。4年と半年のうちの、たった1日。かいちゃんはゆらゆらと客席を見渡すのではなくて、まばたきをするたびにしっかりと一方向を見つめていた。途中、場が和む場面もあったけれど、彼は緊張と決意に固められていた。しっかりとお辞儀をして、劇場の隅から隅まで優しい拍手が響いた瞬間はやっぱり泣いてしまった。こんなに頼もしい人が、今朝コーンフレークを吐きそうになっていただなんて。すごく不思議な気持ち。涙を拭いながら、ほころんでしまった。かいとくん、いままでたくさんありがとう、これからもよろしくね。これからもできればずっと。

 

 

本当におめでとう♡

 

 

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